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今回は、高等工科学校の生徒が卒業後に一番最初にお世話になる、陸曹教育隊がどのような場所なのかを、僕の経験を基に解説していきます!
陸曹教育隊での出来事については、僕が入校した第1陸曹教育隊でのエピソードを基に書いてまいります。
陸曹教育隊を含め、卒業から三等陸曹になるまでの流れを知りたいという方は、下記記事をご覧ください!
陸曹教育隊とは何か?
今回のテーマとなっている陸曹教育隊(略して、陸教と呼ばれることが多いです)ですが、その名の通り陸曹を教育する、陸上自衛隊の教育プロセスになります。
第1~第5の計5か所が全国にあります。各陸曹教育隊の場所については下記の通りとなります。
陸教名 | 方面隊 | 駐屯地 |
---|---|---|
第1陸曹教育隊 | 北部方面隊 | 東千歳駐屯地 |
第2陸曹教育隊 | 東北方面隊 | 仙台駐屯地 |
第3陸曹教育隊 | 東部方面隊 | 板妻駐屯地 |
第4陸曹教育隊 | 中部方面隊 | 大津駐屯地 |
第5陸曹教育隊 | 西部方面隊 | 久留米駐屯地 |
各方面隊に1つずつ設置してありますね。
各陸曹教育隊には、陸曹候補生過程、生徒陸曹候補生過程、陸曹上級課程、陸曹中級課程、陸曹基礎英語課程などがあり、高等工科学校卒業生は生徒陸曹候補生過程での入校となります。
なお、陸曹中級課程は2曹に昇任後に行くなど、陸曹になってからも陸曹教育隊へ入校する機会がしばしばありますので、何度かお世話になる方も多いのではと思います。
ちなみにですが、幹部自衛官の方も同様に幹部候補生学校以外にも昇任のたびに入校するので、自衛隊は学ぶ機会が非常に多いですね笑
陸曹教育隊に入校するまで
陸曹教育隊に入校するまでの流れを、高等工科学校の卒業のタイミングと、陸曹教育隊に着校するときの2点で解説していきます。
祝!高等工科学校卒業!!
卒業おめでとうございます!
例年、3月の第3土曜日あたりに高等工科学校の卒業式が行われ、卒業生はその後春季休暇に入ります。
保護者の方が来校している場合は、そのまま帰省に入り、そのほかの生徒は翌日から帰省をします。
今回の休暇はもう高等工科学校を卒業しているので、教官から課題などを出されていることも無いですし、思う存分羽根を伸ばして。。。
といきたいところですが、ほどほどにして陸曹教育隊に向けて多少は体力錬成などをしておくことをお勧めしておきます笑
(する人はマイノリティーでしょうけどね。。。笑)
ちなみに、1,2年生も春季休暇はあるのですが、3年生と1~2週間程度ずらして先に休暇を貰っています。
大半の部活がここへ合宿を組んでくるのと、1週間ほどの休暇なので帰省する生徒は少ない印象です。
横浜などへ外出して満喫する感じの人が多いのかなと思います。
陸曹教育隊着校
さて、休暇というものはいつもあっという間に過ぎてしまいますよね~
いよいよ陸曹教育隊へ着校の日となりました。
どこの陸曹教育隊も4/1の15時など、午後の何時までに着校してくれと事前に連絡を出してきていると思うので、それに間に合うように出発してください。
僕の場合は、実家が埼玉県なので当日の午前中に成田を出発して昼前くらいに新千歳空港に到着しました。
第1陸曹教育隊の場合は、空港に送迎バスが迎えに来てくれていたので、それに乗って東千歳駐屯地へ移送されました笑
何便か用意されていて、ピストン輸送する方式でしたね。
前日入りすべきかどうか
陸曹教育隊によっては、着校日の前日に着校することを認めているところもあります。
僕の時も、第1陸曹教育隊では前日入りがOKでした。
遠方から来る場合や、天候などで時間までに到着することが難しい人などは前日に来たりしていましたが、ほとんどの人が「ギリギリまで実家や外で過ごしたい」と考えていると思います笑
そう思うのはおかしくはないのですが、陸曹教育隊に着校後は荷物をまとめたり、迷彩服などに名札を縫い付けたりとやることが結構あります。
他の同期よりも先に着校していれば、それらを先に終わらせて余裕をもって翌日以降の教育に臨むことができるというメリットがあるので、割といい選択なのかもしれません。
僕は午後に着校したので、割と時間に追われながらいろいろ準備を行っていましたね(;’∀’)
約3ヵ月程度の教育ですし、GWは普通に帰省できるの少し我慢するのもいい選択です!
陸曹教育隊入校中
ここまでは陸曹教育隊へ着校するまでの流れを解説してきましたが、ここからいよいよ入校中について触れていきます!
大きく、教育内容と生活面についての2つに分けて解説していきますね!(‘◇’)ゞ
教育内容について
教育内容については、ベーシックな科目と特徴的な科目として、実弾下潜入訓練と総合訓練について解説します。
ベーシックな科目
ベーシックとなる科目は、高等工科学校で学んだ防衛基礎学の授業の延長線上という感覚になります。
科目の流れとしては、まず最初に座学を行い、その後野外の訓練場にて座学の内容を実際にやってみるという感じになります。
区隊長によっては、より実戦的な内容にして科目を展開する方もいますね。
何度か科目試験が行われるのですが、ほとんどが暗記問題で、数学のような論理的思考力は一切求められません笑
試験範囲はその都度口頭で伝達されるのですが、第1陸曹教育隊の場合は、講堂に一同が集められて試験範囲がそこで伝達されましたね。
意地悪なのか、テンポよく淡々と伝達されていくので、正確なメモ力が求められます笑
(終わった後に他の同期と内容の確認等は必須ですね)
なお、科目試験は不合格を示す欠点というラインが設けられていて、欠点の場合は合格するまで再試が行われます。
実弾化潜入訓練
陸曹候補生の過程で目玉となるイベントかもしれません。
その名の通り、実弾が撃たれている下で潜入訓練を行います。
簡単に実弾下潜入訓練のイメージ図を作ってみましたが、我ながら粗末なものですね笑
頭上は実弾が、地上ではTNTが爆発する中を匍匐で目標地点まで前進していく感じですね。
ただ各人が前進するのではなく、分隊長とその下の組長の人が指揮をとりながら前進していきます。
爆発音と銃声の中の指揮は、伝わりにくいですが、そのようなことも学べます。
もちろんですが、実弾はジャンプしても当たらないような高い位置を飛んでいますし、TNTも土嚢で囲まれた上に、ごく少量を人が操作して爆破しているので安全と言えば安全です。
ですが、実弾が飛んでいる下にいることや、TNTの爆発の衝撃はすさまじく、戦場の緊張感を体験できる良い機会でした。
宮城地方協力本部のYouTubeチャンネルに、第2陸曹教育隊の実弾下潜入訓練の映像がありましたので、興味がありましたらぜひご覧ください!
総合訓練
この訓練は、陸曹教育隊での教育の集大成となる訓練になります。
潜入、偵察、築城、攻撃等のプロセスを踏み、空砲を使用して目標地点を確保するというような流れになっています。
日程としては各陸曹教育隊によって異なるようで、僕が入校していた第1陸曹教育隊の場合は、1泊ほどの訓練だったと思います。
他の陸曹教育隊では4日間など、長期の所もあったそうです。。。
この訓練が終わると、残りの期間は武器や借りている被覆類の整備などの期間に入ります。
それも終わると、厚生旅行などの慰安旅行などをするところが多いかと思います。
生活面
ここまでは、教育内容などについて触れてきましたが、ここからは生活面に関して解説していきます。
娯楽に関して
これから陸曹教育隊に入校するぞ!
という人は気になりますよね笑
陸曹教育隊では、ゲーム機などの娯楽用品は持込が禁止されています。
漫画や本などは特に規制は受けていなかったですが、私物を置く場所が限られているので最小限にとどめる必要があります。
また、携帯電話についてですが、消灯後に起きて使用しているのは禁止されていましたが、そのほかは特に制限はありません。
高等工科学校のように、鍵付きのロッカーに決められた時間以外は保管しなきゃいけないなどはありません。
ただし、消灯後に使用していたりするなどが発覚したり、その他で何か問題が起きた場合にペナルティとして没収される可能性はあります。
休暇
宿泊を伴う休暇については、4月~5月にあるGW期間のみになります。
この段階ではまだ陸曹教育隊の教育は本格的になっていないので、休暇の準備などをする時間は確保することはできると思います。
ちなみに、僕の居た区隊では、助教の命により休暇中に女性と一緒に写った写真を撮り、そのエピソードを手紙に添えて帰校後提出せよという、今ならパワハラで訴えてもいいレベルの課題が出されましたね笑
(まあ、今となってはいい思い出ですね笑)
外出事情
高等工科学校では、外出前に清掃の点検などがあったと思いますが、陸曹教育隊でも同様にあります。
その清掃のレベルですが、高等工科学校よりもかなり、かなり厳しく見られます。
外出可能なのは土日になるのですが、金曜日の夜から清掃を開始し、土曜日の朝も清掃をし、まず8時頃に点検を受けます。
ですが、何かしら理由を付けられて不合格になり、土曜日は大体昼過ぎくらいにならないと外出できない感じが多かったですね。
点検はその週末で1回合格すればよいので、土曜日に合格していれば日曜日は特に清掃点検なしで朝から外出することが可能になります。
なので、僕は基本的に土曜日は外出申請を出さずに日曜日だけ外出するような形をとってましたね笑
なお、この外出するまでのハードルの高さは陸曹教育隊によってかなりばらつきがあります。
なので「外出いのち!」という方は、高等工科学校在学中に決める進路選びは慎重にしてくださいね笑
陸曹教育隊卒業後
総合訓練を乗り越え、最後の武器整備などを乗り越えたらいよいよ長かった陸曹教育隊も卒業です。
卒業式が執り行われたのち、配属される部隊への移動となります。
この配属先ですが、選択した特技(自衛隊内での専門職)によっては方面隊内でどの駐屯地を希望するかを入校中にヒアリングされ、その内容と成績によって決まります。
ちなみに、僕の場合は札幌近傍の駐屯地と、道北の僻地の二択でしたね笑
もちろん、迷わず札幌近傍を希望し、無事希望が通りました(*’▽’)
人によっては選ぶことすらできない場合もあり、まあ駐屯地ガチャと言った感じですね。
自衛隊の駐屯地は大半が僻地にありますから。。。
なお、配属先への移動については、ほとんどの場合は配属先部隊の人が迎えに来てくれます。
たまに、同一駐屯地の他部隊との相乗りになる場合があります。
陸曹教育隊卒業以降の進路の流れについては、下記記事をご覧ください!
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
当ブログでも結構長い部類の記事となり、書き終わった後にビックリしています笑
今回は高等工科学校卒業後に入校する、陸曹教育隊について解説をしていきましたが、いかがだったでしょうか?
もし、「ここがわからない」「もっと詳しく!」などありましたら、コメント欄に記載いただければ、可能な限りお答えします!
では、長々と失礼しました!!
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